青春18きっぷの旅2005-2006冬
ムーンライト九州→大阪→京都→ムーンライトながら→内房線→外房線→五日市線→八高線

2005年12月24日〜26日


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[3日目:12月24日土曜日 の続き]

新大阪行き夜行快速列車「ムーンライト九州」は途中、箱崎・香椎・福間で運転停車をして定期列車を先行させ、
折尾・黒崎・戸畑・小倉と停車していく。
そして、門司駅を22時31分に出発し、九州に別れを告げた。
行きは大雪のせいで1時間遅れとなったが、帰りは何事もなく定刻通り走ってほしいと思いながら、クリスマスイブの夜は更けていった…。

<4日目に続く>

となればよかったのだが、帰りでも問題は起こった。
運行自体には問題なかったが、車内がやけに寒い。他の乗客もそう感じていたようで、1人が車掌にどうなってるんだと尋ねていた。
それによると、どうやら4号車の暖房設備が調子よくないらしい。
自分はこんなこともあろうかと念のため持ってきておいた貼るタイプの使い捨てカイロを腹に貼って暖を取ったが、
他の人たちはどうしたのだろうか。
こうして3日目の夜は寒さととも更けていった…。

<今度こそ4日目に続く>


[4日目:12月25日日曜日]

日付は12月25日に変わったが、「ムーンライト九州」は深夜の山陽本線をひたすら東に向かって走り続ける。
2時00分に広島駅に運転停車したものの、三原は3時4分に、福山は3時26分に、倉敷は3時56分に通過した。
そして、4時8分にようやく今日最初の停車駅である岡山に到着した(※01)。
岡山を出ても4号車は相変わらず寒いままで、結局終点までそのままだった。
姫路を出て少し経った後、昨夜に購入した朝食を食べる。
通過駅ではすでに次の列車を待つ人が数人見えた。
22日の夜の下りとは違い、上り「ムーンライト九州」は順調な走りで東に向かい、6時32分、終点の新大阪に到着した。
新大阪から大阪に戻り、大阪環状線(※02)に乗りかえる。
夏に大阪初下車を果たしたが環状線は乗っていないので、今回が初乗車である(本来は22日に乗る予定だったのだが…)。
内回り列車で弁天町まで行き、地下鉄中央線(※03)に乗り換え。大阪港駅で下車し天保山(※04)に向かった。

「日本一低い山」こと天保山に"登頂"。
天保山から"下山"し、営業開始前の観覧車や海遊館の周辺を見て回ると大阪港駅に戻り、今度は京都へ向かう。
大阪港(地下鉄中央線)→弁天町(環状線:関空快速※05)に乗車)→大阪(東海道線)→京都という乗り継ぎで京都に着くと、
今度は山陰本線に乗り換え、円町駅(※06)で下車。
円町駅を出て、鹿苑寺(※07)に行くため西ノ京円町バス停に向かうと、
西大路沿いには「毎日新聞」と書かれた小旗を持つ人たちといかにも高校の陸上部関係者らしき人の姿が。
歩道に立っていた看板によると、どうやら今日は京都市内で全国高校駅伝(※08)が行われるそうで、
これから女子の部が始まるようだ。
そのため、コースに当たる区間を走るバスは駅伝開催中運休になるらしい。
幸い、まだ始まっていなかったので無事(といっても10分程度遅れて来たが)バスに乗車できた。
金閣寺道バス停で下車し、雪が残る道を鹿苑寺へ向かった。
北山・鹿苑寺の舎利殿「金閣」。
先日降った雪がまだ少し屋根に残っている。
天気はよかったが、
金閣の手前にある鏡湖池の湖面は寒さのため凍っていた。
鹿苑寺で金閣などを見た後バス停に戻り、しばらくバスを待っていると、
反対側の車線を高校駅伝女子の部の先頭ランナーが走り抜けていった(※09)。
第17回全国高校駅伝女子の部、トップを走る興譲館高校のランナー。
レースはこのまま同校が優勝した。
なお、興譲館高校は2010年の第22回大会でこの時以来となる
2度目の優勝を成し遂げている。
その少し後に何人かのランナーが続いて南の方向に走っていった。
さらに数人のランナーを見送ると、バスが来たので乗車。
しばらくバスの車窓から京都市内の風景を楽しみ、「河原町三条」で下車。
三条大橋付近を散策した後、「なか卯河原町三条店」で昼飯(釜たまうどんと牛丼ミニ)。食後は新京極に向かった。
三条大橋付近の鴨川に集まる鳥たち。
京都市の繁華街、新京極の三条側入口。
新京極の四条側入口。
四条通に出たところで東に進み、四条大橋から鴨川の河川敷に降り、しばらく左岸を下流に向かって歩いた。
四条大橋のそばでかわいい子猫を発見したのでおもわず撮影。
五条大橋の手前で河川敷から上がると、交差点を左折して五条通を東進。
東山郵便局脇の小道に入ってしばらく歩くと、豊国神社の大きな鳥居が見えた。
豊臣秀吉を祀った「豊国神社」の鳥居。
鳥居の前では外国人観光客が記念撮影をしていたので、
邪魔にならないようにして境内に入った。
左の画像は外国人観光客が去った後に撮影した。
豊国神社の次は、隣接する京都国立博物館を見学(※10)。
この門や奥に見える本館などは建物自体が国の重要文化財に指定されている。
博物館ではこの日まで
「古今集1100年 新古今集800年記念 和歌と美術」と題した特集陳列を行っており、
古今和歌集などの古筆切(※11)や、
後鳥羽天皇などの歌人を描いた絵が展示されていた。
平常展および特集陳列を見た後は野外の展示品を観賞。
噴水の後ろ、本館の手前にはロダンの彫刻「考える人」が展示されており、
他にも庭園内に不動明王像・菩薩像や
山城・丹波国境を表す石柱などといった文化財が展示されていた。
京都国立博物館を後にすると、七条通を西に進み、京都駅に戻る。
まだ日が高く、もう2、3ヵ所見学できそうだったが、昨夜寒い車内で過ごしたことと今までの疲れから体調があまりよくないため、
夕飯までは駅ビルの中をうろつくことにした。
まず、東側のエスカレーターや階段をひたすら上って7階に到達。
わざわざここまで上ってきた理由は「空中経路」(※12)からの京都の風景を見てみたかったから。
通路の幅はあまり広くないので、途中に数カ所ある展望スペースから京都を俯瞰する。
清水寺の「舞台」も小さくではあるが確認することができた。
「空中経路」を西に進むと、着いたところはジェイアール京都伊勢丹の10階、全国各地のラーメン屋7軒が集まった「京都拉麺小路」。
これまで3日連続でラーメンを食べているが、他によさそうな所がなければ夕飯はここで食べることにして、外に出る。
出たところは大階段の途中(といってもかなり上のほう)で、
この日がクリスマスであることもあり、
階段には多数のカップルがぴったりと寄り添いながら座っていた。
また、階段の下のほうを見ると巨大なクリスマスツリーがあり、
その前でカップルが記念撮影をしていた。
その後、駅ビル内のいろいろな店や施設を見てまわり、
夕飯は「拉麺小路」にある札幌ラーメンの店「月見軒」(※13)で味噌ラーメンとライスを食べた。これで4日連続ラーメン…
夕食後、再び外に出ると、クリスマスツリーがライトアップされていた。カップルの記念撮影も途切れることなく続いている。
自分には縁のないものなので、それ以上は気にせず現場を立ち去り、階下の店でお土産を購入。
19時35分発の快速大垣行きに乗り、京都を後にした。
快速大垣行きは闇夜の近江路をひたすら東進し、関ヶ原を越え、21時34分、終点大垣に到着した。
JR大垣駅の発車案内。
当時のダイヤでは、先発の23時0分発「ムーンライトながら92号」は
夏休み・年末年始・春休みといった多客時のみ運行、
次発の23時19分発「ムーンライトながら」は毎日運行されていた。
この後に乗る予定の列車は23時19分発の東京行き「ムーンライトながら」。
発車時間までは1時間半あるが、大垣駅周辺の施設は飲食店・ホテル以外全て閉まっている。
積雪の残る大垣駅周辺をしばらくうろついた後、しかたなく駅に戻り、ホームに設置されている待合室でひたすら待つことにした。
23時19分、上り定期「ムーンライトながら」は東京に向け、大垣駅を発った。
待つこと数十分、4番線に臨時夜行快速「ムーンライトながら92号」(※14)が入線。
JR東日本所有の特急形183系・189系車両による10両編成。
前面の幕には「快 速」とだけ記されている。
23時0分、「ムーンライトながら92号」東京行きが大垣を後にするのを見送る。
さらに数分待つと、同じ4番線にようやく定期列車の「ムーンライトながら」が入線した。
JR東海所有の特急形373系車両による9両編成(3両を1ユニットとして3つ連結)。
臨時の「ながら」と違い、前面には専用の幕が掲出されている。
23時19分、上り定期「ムーンライトながら」は東京に向け、大垣駅を発った。

<5日目に続く>


[5日目:12月26日月曜日]

夜行快速「ムーンライトながら」東京行きは途中の沼津で臨時夜行快速「ムーンライトながら92号」東京行きを追い越し、4時42分に東京に到着した。
このまま帰宅してもいいのだが、青春18きっぷの5回目の分がすでに使われていることになっており(※21)、
帰るだけに使うのはもったいないので、関東地方の路線をいくつか乗り回すことにした。
まず、5時04分発の快速エアポート成田」(※22)に乗って千葉まで行き、千葉から内房線普通安房鴨川行き(千葉5:46発)で房総半島を南下。
終点の安房鴨川で本日最初の下車(ここで5回目のところに印が押される)。しばらく駅周辺をうろついた後、駅前のジャスコで食料を調達し、駅に戻る。
安房鴨川からは特急わかしお10号※23)東京行きに乗車。
なお、この列車は勝浦までは普通列車扱いなので、特急料金なしで特急型の255系電車に乗車できた。
9時39分に電車が安房鴨川駅を発車すると、車内で遅めの朝食として、先ほどジャスコで購入したおにぎりや鮨などを食べた。

朝食を終えると、車窓から見える真冬の南房総の風景を楽しんだ。
画面下の道路を走る車は数えるほどしかなかった。
10時07分勝浦に到着。これより先まで乗ってしまうと特急料金&運賃を取られてしまう(※24)のでさっさと下車し、次の普通列車を待つ。
約10分後に千葉方面から来た勝浦止まりの電車が折り返しの千葉行きとなったので乗車。
10時21分に勝浦駅を発車した千葉行きの普通列車は外房をひたすら北上し、
11時38分に千葉の2つ手前、蘇我に到着した。これで内房線・外房線の完乗達成。
蘇我からは京葉線快速東京行き→南船橋→武蔵野線府中本町行き→西国分寺→中央線快速立川行きの順で乗り換え、立川に到着。
昼飯は立川駅の「小竹林」でそばを食べた。
昼食後、立川から青梅線各駅停車青梅行きで拝島まで行き、五日市線に乗り換え。
青梅線は今までに何度か利用したことがあるが、五日市線はこれが初めてである。
とりあえず終点の武蔵五日市駅まで行き、五日市線の完乗を達成。
武蔵五日市駅周辺を見て回った。
駅近くに架かるコンクリート製の橋を渡って立川方面に向かう201系電車。

駅まで戻ると、拝島行きの列車で拝島まで戻った。
朝の時点ではここまでで帰宅するつもりだったが、あと1路線くらい行こうということで、
まだ乗ったことのない八高線の非電化区間(※25)を倉賀野まで行くことにした。これがいけなかった。
拝島から高麗川行きの電車に乗り、終点の高麗川で下車。
高麗川から高崎行きの気動車に乗り換えたが、次の毛呂に着く頃には外はすっかり真っ暗になっていた。
何とか倉賀野まで乗り、すでに乗ったことのある区間と合わせて八高線の完乗を達成したが、倉賀野から高崎線の上り電車を待っている間はかなり寒かった。
次に来るはずの通勤快速上野行きが時間になっても来ず、実際には数分の遅れだったが、
このままあたり一面真っ暗の倉賀野駅で貨車とともに待ちぼうけか※26)」とかなり不安になった。
結局、倉賀野→高崎線→大宮→埼京線→新宿→中央線→立川→南武線→登戸と乗り継いで帰途についたのだった・・・。

<完>


※01:青春18きっぷは東京と大阪の特定区間を除き、日付が変わって最初に停車した駅まで有効なので、
今回の場合、前日分はこの岡山駅まで有効となる。
※02:大阪−西九条−今宮−天王寺−京橋−大阪間21.7kmを環状に結ぶ路線。JRで唯一の正式な環状線である
(東京の山手線は正式には品川−池袋−田端間が「山手線」、田端−上野−東京間が「東北本線」の重複区間、
東京−新橋−品川間が「東海道本線」の重複区間である)。
※03:「地下鉄」だが、今回乗った弁天町−大阪港間は高架区間。
※04:標高は4.53m。どう見ても普通の公園だが、「日本一低い山」らしい。
※05:京橋・大阪・JR難波−関西空港間で運転される列車。
※06:2000年9月23日に、同名の交差点の近くに開業した高架駅。
※07:通称・金閣寺。山号は北山。
※08:男子は第56回、女子は第17回大会が開催された。
※09:金閣寺道バス停付近の道は2区と4区にあたり、このランナーは4区の選手。
※10:東京国立博物館はすでに何度も訪れており、先日九州国立博物館に行っているので、
この時点でまだ行ったことがない国立博物館は奈良だけとなった。
※11:古い経典や手紙、和歌がかかれた巻物などの一部を切断し、観賞用として掛け軸などに仕立てたもの。
※12:地上から45mの位置にある、京都駅ビルの東西連絡通路。
※13:2006年1月20日限りで京都拉麺小路から「卒業」。
※14:当時の18きっぷシーズンに運行される臨時「ムーンライトながら」のうち、
下りの「ムーンライトながら91号」は途中で定期の「ムーンライトながら」を追い越して大垣に先着したが、
上りの「ムーンライトながら92号」は逆に定期の「ムーンライトながら」に追い越されていた。

※21:当時の上り「ムーンライトながら」の日付が変わって最初の停車駅は大府(「ムーンライトながら92号」の場合は刈谷)だった。
※22:総武快速線の下り成田空港行き列車には「エアポート成田」という列車名がついている。ただし、停車駅は他の快速と変わらない。
※23:東京−上総一ノ宮・勝浦・安房鴨川間(上りは茂原始発あり)を京葉線・外房線経由で結ぶ特急列車。
本文で触れた10号を含めて、安房鴨川発着の列車の約半数が勝浦−安房鴨川間で普通列車扱いとなる。
※24:特急列車に乗る場合は北海道の一部区間(海峡線木古内−蟹田間、石勝線新得−新夕張間)を除いて青春18きっぷは使えず、
別に乗車券(運賃)と特急券(特急料金)が必要(2日目博多南線の部分を参照)。
※25:八高線は八王子−倉賀野間(列車は高崎線の高崎まで乗り入れている)の路線だが、
そのうち八王子−高麗川間は電化、高麗川−倉賀野間は非電化となっており、運行系統は高麗川で分断されている。
※26:4番線に貨車が留置されていたため。


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